◆田んぼだより=取材編=

平成21年12月号_03

《ぬか釜ごはんの日》=取材しました=

12月13日(日)毎月恒例の「ぬか釜ごはんの日」に行ってきました。
「ぬか釜ごはん」って何だろう?と思われる方も多いのではないでしょうか?今回取材させて頂いた私も初めての経験でした。
なぜ「ぬか釜」が良いのか?炊き方などを取材してきましたのでお伝えいたします。


構造は簡単なものでした。大きな筒状のものの中に、半分の大きさの筒が収まっており、その間に籾殻を挽き詰めて、真ん中に火を入れます。籾殻が燃えてくると下に灰となって落ちていき、廻りに詰めた籾殻が少しづつ下がって燃えていくかたちになっています。
《左右にある写真を見て下さい。》

ガスに比べて、熱の伝わり方がよく、お釜の下部の丸みも併せてお米が踊るように炊き上がるため、お米もモチモチとした食感でおいしくなるそうです。
実際に、塩むすびを頂きましたが、とっても美味しかったです。

岡野さんは来店されるお客様から、ぬか釜の値段をよく聞かれるそうですが、なかなか手に入れることが難しく、値段も高いので、多くのお客様からの反応はなぜ?というものだそうです。岡野さん自身は逆に安いと感じているようです。

理由は、電気釜の高級化で10万円以上するものが世の中には出ていて、ヒットしている現象を踏まえて、それ以上に美味しくお米が炊けるからだそうです。
問題は燃料である籾殻を置いておく場所だそうです。

田んぼでは毎日、精米をしているので籾殻には困らないのですが、東京の家賃を考えるとなかなか籾殻だけを置いておくことができず、わざわざ送料を払って違う場所に保管しているそうです。

ぬか釜を田んぼでは、5台持っているそうです。
1台が代々木本店においてあり、残りの四台は新潟と岩手においてあるそうです。田んぼ便りでも何回か書かれていますが、産地でぬか釜ごはんを振舞うと農家の皆さんがこのお米はどこのお米かと聞かれるそうです。その都度、産地のお米を使って炊いているので、皆さんが作られたお米ですよと、説明すると驚かれるそうです。やはり、農家の皆さんはお米を作るのはプロですが、お米を炊くプロの岡野さんの誇りを感じる逸話でした。

現代社会の中で、ecoと叫ばれていますが、これこそエコロジーではないでしょうか。お米を作り、食べるときには、捨ててしまう籾殻を燃料にし、ぬかは漬物に使う。昔の人の英知にただ驚かされるだけです。
皆さんも是非一度、ぬか釜で炊いたご飯をご賞味下さい。田んぼでは月に一度代々木本店で炊かれております。

取材スタッフ