◆田んぼだより
平成22年11月号
《 岩手江刺都市農村交流ツアー 》
ごはん一粒ずつの立ち加減、つや、そして甘み、どれをとっても今年も当店のうまさ最高金賞の岩手江刺ひとめぼれ「江刺金札米」。10月末の2日間、その生産者の皆さま主催で、江刺の米作り見学&意見交換ツアーが開かれました。日頃、当店で江刺ひとめぼれ「江刺金札米」をご贔屓にお取り寄せいただいているお客様の中から抽選で10名の方がご参加くださり、東北新幹線内での軽い勉強会から始まり、現地では大勢の地元の方々にご案内、お接待をいただきながら、ひとめぼれの美味しさの訳をたくさん見せて頂きました。減農薬・無除草剤のこだわりの田んぼ、上質なたい肥の所以である江刺牛の牧場、りんご園、鮭の遡上が盛りの北上川、そして昭和初期の手動の脱穀機やもみすり体験、ぬか釜炊飯、地域あげての農業収穫祭参加など盛りだくさんの LOVE RICE! & LOVE JAPAN!な紅葉の旅になりました(^^) |
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東北地方では収穫した稲穂を縦にした棒にしたかららせんに積み上げて乾燥させます。「ほにお」と呼ぶこのやり方は、関東や北陸でよく見かける横棒にかけるはざ架けとはまた違った趣のある風景でみんな見入ってしまいました。 |
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田んぼでは畔道の雑草が米作りの障害になるため、特に夏場の草刈りが大変な重労働になります。そのために畔に除草剤をまく効率的な手段もありますが、江刺ではそれを避けるために「ヒメイワダレ草」という草を畔に育て他の雑草が生えないようにしています。施工時に大変な労力と費用がかかりますが、その後の安定した、安全な米作りの大きなチカラになっています。写真左がヒメイワダレ草施工の畔で、右が何もせずに雑草が生えている畔です。夏には薄紫のきれいな花を咲かせます。
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豊富な水量、澄んだきれいな水の北上川の本流、支流に囲まれた江刺は水不足の心配はほとんどなく、毎年安定した収穫をあげています。これはお米のみならず、ブランド果樹である「江刺りんご」やブランド牛の前沢牛の種牛である「江刺牛」はじめ、豊富で上質な農畜産物が作られている源になっています。この季節、たくさんの鮭が産卵のために北上川に遡上してきていました。澄んだ川の中に見た鮭たちの生命のものがたりは、日々お店でたくさんの鮭を扱う私たちに尊さと、大切さを教えてくれました。これからは、さらにありがたくいただきたいと思いました。 |
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これは稲穂から籾「もみ」をはずす脱穀機。昭和初期に使われていた「千歯こき」という道具で、割りばしでしごくよりも効率良さそうだと思って勇んで始めた作業も、すぐに途方に暮れるほどの大変さ。ご参加のY様は、根気強く丁寧にしごいてくださいました。私はすぐに飽きてしまい、効率を求め次世代の道具「足踏み脱穀機」へ(^^;) |
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千歯ごきが進化した「足踏み脱穀機」。これはかなりはかどりました。足踏みが動力となり長い釘がたくさん刺さったような糸車を回し、そこに稲穂をあてがいかきとる要領。こつをつかんだご参加のO様もどんどん稲こきしてくださいました。 |
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脱穀された籾をもみすりして玄米にする前に、ゴミやわらを取り除きます。それがこの「唐箕(とうみ)」。手動でハンドルを回転させて風を送りながら、片方の手で穴を調節しながら籾を上の箱から適量落としていきます。軽いゴミは風に飛ばされ、重い籾は真っすぐ落ちて箱に入るという仕組み。ご参加のI様も慣れてきてリズミカルに!時に鼻歌交じりで♪(^^) |
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江刺では全国に先駆けていち早くカントリーエレベーターを導入しました。ここでは地区内の収穫したコメを籾の付いた状態で、湿度、温度管理されたサイロに貯蔵して、一年を通じた出荷に備えています。収穫の秋はもちろん、夏場でも安定して美味しい「江刺金札米ひとめぼれ」が食べれるのはこのカントリーエレベーターに貯蔵されているからでもあります。参加者一同でサイロの頂上まで階段で上がり、地区内の田んぼを一望しました。最新のコンピュータの活用や徹底した衛生、安全管理の様子を見せて頂き、さらに江刺金札米への信頼を寄せました。 |
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農畜産物の生産を中心に成り立っている江刺では、多くの生産者がひと息つくこの時期に農協主催で農業収穫祭が盛大に開かれます。江刺金札米、江刺りんご、江刺牛のブランド産物を中心に南部鉄器やたくさんの地元の特産品がテントで特売されて活気づいています。今年で5年目の参加になる私は、江刺金札米ひとめぼれの美味しさの紹介役で「ぬか釜炊飯」をして炊きたてごはんのお振舞い。江刺の方や、近郊の町からのお客様たちに目いっぱい美味しく炊いた金札米を堪能していただきました。地元でも「ぬか釜」は懐かしすぎて珍しいので大人気! |
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岩手県の農業担当の職員の方も意見交換会に出席してくださり、県を挙げての高品質な農産物の取り組みについて丁寧に説明してくださいました。これからの農業に深い関心をお持ちのご参加のO様もたくさんの質問をされていて、充実した意見交換ができたようでした。私たちの2日間の交流事業は地元新聞にも取り上げられて、早速2日目の日曜日の朝刊の記事になっていました。マスコミというフィルターを通さない都会の消費者の本当の姿、声を生産者に届け、生産者の産物への真摯な取り組みを都会の消費者に直に見て頂くことにより、安心して、自信を持って、笑顔で美味しい国産の農作物を選択して消費していく日本人、そんな「おひつ膳 田んぼ」の使命をほんの半歩だけ前に進められたツアーでした。来年も企画する予定ですので、ご興味がお有りの方は是非ご参加ください。 |