◆田んぼだより

平成20年10月号

《稲刈り》

米作り11年目、平成20年産の稲刈りも無事終わりました。品種改良された今年の新潟コシヒカリは30センチくらい背が高いため たくさんの稲が倒れていたので、それを起こしながらの稲刈りはいつもの何倍もの重労働で、刈り終えた達成感も倍増でした。

ミステリーサークルのように複雑に倒れてる稲を前に 、刈りやすい方向を考えながらの作業は時間も頭も余計に使い、ワイワイとにぎやかだったムードも 次第に無言の 黙々ムードになり 各自腰の痛みをこらえながらの一日となりました。

梅雨前の小雨であきらめかけた収量もなんとか平年並みかそれ以上になりそうです。里山の頂にある田んぼは、雪解け水や雨水などの自然水だけが頼りなので、キレイで安心ですが水不足にはどうにもならない弱さを再認識した一年でした。

例年よりも作業効率の悪い稲刈りのなかで、独自のコンビネーションを工夫してどんどん協同作業が早くなっていくところに、労働生産性の改善の原点を見れました。

刈り終わった田んぼで、ぬか釜ごはんと、もみ がらを焼いてヤキイモでの山ごはんは、とても実感のわく締めくくりの収穫祭となりました。

農作業を終えていつも思うことは、普段の仕事以上にチームワークが強まることです。

日本人の仕事力の強さはきっとここから来ているんだろうと思います。

店主 岡野真吾