◆田んぼだより

平成19年10月号

《稲刈り》

10月6日午前、連休の渋滞にはまるバスの中でお米の勉強会をしながら黄金色の稲穂が待つ新潟県十日町市松之山の自社田んぼに到着!

今年は春までの記録的小雪で田植え後の水不足が心配されたり、8月に梅雨明けという長梅雨で日照不足が心配されたりと気をもんだ年でしたが、8月からの猛暑にへたることもなく、また、台風の直撃もなく順調な実りを迎えられました。

実りが確認された9月に入ってから収穫までの約一か月は、台風や天災が無いことを祈る以外になすすべがない、農業の厳しさや人間の無力さを強く感じる期間です。

東京にいるとニュースとして結果を知るだけの農作物の作柄ですが、農家の方々の祈りや風習に対する思い入れの大切さを心から尊重いたします。ギザギザ刃の稲刈り鎌の珍しさと、刈り取りの感触の良さに軽快に刈り進んだ初参加メンバーも、刈り取った稲を束ねる作業に四苦八苦。

先輩から藁を使った束ね方を習いながら一番時間のかかった作業でした。翌日、地元の方にコンバインでの刈り取り作業を見せていただき、技術革新がもたらす生産性の向上とは、これほどまでに人を助け、暮らしを変えるものなのかと感動させられました。

25人で半日かかった仕事が、コンバイン一台で30分くらい。でも、その半日間の協働作業のなかで生まれ育まれたチームワークは、手作業という非効率な仕事のやり方だからこそ得ることができた財産だと思います。

美味しいお米の収穫もできましたが、メンバー一同にとって、これが一番の収穫でした(^^) この自分たちで作ったお米は、今年も12月前半に一合ずつですが各店にてご来店のお客様にお配りさせていただく予定です。

店主 岡野真吾