◆田んぼだより

平成19年05月号

《10年目を迎えた田植え》

5/12・13 新潟県十日町市松之山の自社田んぼへ田植えに行ってまいりました。今回はスタッフに加えて有志の方々もご参加くださり、講義と実地の両方でお米にどっぷり浸りきった充実した2日間になりました。

田植え初体験の方々ばかりでしたが、学習心、好奇心が旺盛なご様子で、すぐに長靴を脱ぎ捨てて裸足で田んぼに入り、お米の大地をからだで感じていただきました。

また、お子様たちもとっても積極的で、仕事熱心で驚くほどの大活躍!同じ都会育ちとして誇りに感じました(^^) 昨秋にやっとの思いで手に入れた「ぬか釜」がお昼の主役。

収穫時から保存しておいたもみ殻を燃料に大きな羽釜で二升の魚沼コシヒカリを炊きました。火加減、炊き時間の調節はくべるもみ殻の量のみで、勘を頼りにあとは全自動。

昔はどの家庭でも使われていた「ぬか釜」は、今では見つけるのも困難ですが、ものすごいハイテク製品でした。田んぼ脇の山菜(うど、こごみ、こしあぶら、山ぶどう)を地主の高橋ご夫妻が採っててんぷらにしてくださり、たけのこの味噌汁と「ぬか釜」のおにぎりでバッチリと腹ごしらえとリフレッシュ!

弾みをつけて後半の田植え作業にのぞみ、成長著しい皆さまのおかげで予定の2倍の面積の田植えができました。田植えや稲刈り作業をするたびに感じることですが、チームワークを構成する一人一人の目的意識の強さ、それぞれの仕事のベクトルの同方向性、他者に配慮した仕事の進め方が冴えているほど生産性は高く、これを同じメンバーで繰り返すごとに益々高効率化していきます。これは当たり前のことなのですが、日本が世界に誇る協調性や家族的な仕事の進め方の原点は、この米作りから培われてきたのだろうと思います。

だからこそ、一人でも多くの方に手作業の米作りを体験していただきたいと思っております。一昨冬は記録的豪雪で毎朝雪下ろしをするほどで、昨冬は記録的な暖冬小雪でした。天候不順は各地で伝えられていますが、田植えの後、私たちにできることはお祭りなどを通じた神頼みしかありません。 

日頃から伝統行事やお祭りを大切にして五穀豊穣を願うことが都会の生活者にも必要なことだと、私自信心掛けております。

店主 岡野真吾