◆田んぼだより
平成18年11月号
《江刺金札米ひとめぼれ紀行〜 》
当店では毎年3〜4種類のお米を選んで使用していますが、そのなかで岩手県江刺ひとめぼれ(金札米)は開業以来10年間使い続けている唯一のお米です。これは江刺の生産者の町をあげての一致団結した米作りへの取り組みが安定した美味しさにつながっているからです。 |
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そこで今年5月と10月に江刺に行き、JA江刺市の高橋農産課長と生産者のリーダー小泉稲作部会長にこの取り組みと団結を伺って参りました。江刺では9割以上の生産者が平成7年からのJA主導の特別栽培に賛同し、毎年、生産者ごとに苦悩はあるものの先を見据えた忍耐と団結心でそれを乗り越えて、ここ10年間の地域全体の高品質安定を築いてきました。 |
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私も多くの生産地を見てきましたが、これほどみんなで一緒に地域風土の将来も考えて実行している地域は初めて見ましたし、会う人みんなが手を取り合って生産し、消費している姿勢が強く感じられました。「地域愛」というのでしょうか!都会人の私には羨ましい限りでした…。 |
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また、小泉部会長によれば、江刺の気候風土(降水量、日照時間、平均気温、地形など)は世界でも有数の作物に合ったものだという統計もあるそうです。そして、隣街に和牛ブランドの前沢牛があるように、昔から牛を飼っている農家が多く、堆肥が豊富にあることも江刺金札米ひとめぼれの美味しさにつながっているようです。因みに「金札米」とは、大正14年に江刺郡農会が始めて東京市場に米を出荷した時に最高の格付けを得て以来、赤札をつけて差別化して出荷していたものがさらに評価の高まりとともに大黒様の絵入りの金札になったことに由来しています。東京ではあまり聞きなれないブランド名ですが、地元ではもちろん一大ブランドです。当店ではそのロゴなども展示しています。 |
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そして、ありがたいことに今年10月のJA江刺市主催の産業祭りという収穫後を祝う大イベントで、生産者である稲作部会の方々のブースでおにぎりの作り手としてボランティアで参加させていただきました。2日間で800個ひとりでいつものにぎりたてをにぎってきましたが、ブースに行列ができ、江刺の地元の方々とお米や地域の話しをしながらの対面販売はとても刺激的でおにぎり職人冥利につきる体験でした。この心の経験を東京の「おひつ膳 田んぼ」でも活かしていきたいと思います。今、私が日本人の誇りを持って一番オススメする美味しいお米は、岩手県江刺ひとめぼれ(金札米)です。お近くで見つけたら、是非試してみてください!もちろん「おひつ膳 田んぼ」でも精米したてを販売しています。お電話で宅配も承っております。 |
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店主 岡野真吾 |